The State of World Fisheries and Aquaculture 2006
　　世界漁業・養殖業白書　2006年報告

　FAOが一年おきに発行する世界の漁業・養殖業に関する報告書。この中でFAOは、FAOが過剰利用または枯渇とみなす世界の海洋魚種資源の割合は過去15年間ほとんど変動していないと報告している。FAOが分析・評価している漁業品種のうち、過剰利用（17％)、枯渇（7％）、または枯渇から回復段階（1％)となっており、15年前とほぼ変わらない。しかし、いくつかの高度回遊性魚種や公海魚種の資源量に警鐘を鳴らしている。
　同時に公海での漁獲量評価・監視が不十分であり、品種管理を困難にしているとも指摘している。また、海洋地域によっても過剰利用の度合いは異なっている。今後の取り組み強化のためには世界の地域漁業管理機関（RFMO)や多国間機関の改革が求められている。

（FAO、ローマ、2006年12月、176ページ＋CD−ROM、ISBN 978-92-5-105568-7）

The State of Food and Agriculture 2006, 
　 Food aid for food security?
　　世界食料農業白書 2006年報告
　　食料援助は食料安全保障に役立っているか？

　世界の食料・農林水産業に関するFAOの年次報告書。世界の各地域の状況を報告するほか、特集として「食料援助」に焦点をあて、その効果と問題点について考察している。
　本書は、食料援助が、それを必要としている何百万人ものを命を救ってきた一方で、その多くが特定の条件に縛られていること、また時期や対象者を誤ると現地の市場や食料流通システムに悪影響を及ぼすことを指摘し、国際的な食料援助のあり方に対する改善案を提案している。

（FAO、ローマ、2006年12月、180ページ＋mini CD-ROM、ISBN:978-92-5-105600-4）