NGO列島縦断フォーラム 近畿ブロック in 三重

NGO列島縦断フォーラム・近畿ブロック in 三重 −

☆★☆ あなたが踏みだす 未来あすへの一歩 ☆★☆

 場  所 : アスト津(三重県津市羽所町700
 開催日 : 2004年2月14日(土)

<プログラム>
○10:30〜11:00  開会式
○11:00〜11:50  基調講演 「森を育てることの意味」
          講演者:速水 亨氏(速水林業代表)
○13:10〜15:30  分科会
          分科会 1 「農林業の民間国際協力〜未来(あす)を拓くNGO」
          分科会 2 「アクション!やってみようよ国際協力
                            〜海外NGO活動をはじめる人へ」
          分科会 3 「自然と親しむ〜私たちと水・緑、共生と活かし方」
          分科会 4 「多文化の人々と生きる〜サポートから連携へ」
          分科会 5 「若い力で国際協力〜若い力、私たちに何ができる?」
○15:40〜17:00 全体会
○17:00〜17:05 閉会式
○17:10〜18:30 交流会


 2004年2月14日(土)に、三重県津市にて、「あなたが踏みだす未来あすへの一歩」と題し、NGO列島縦断フォーラム近畿ブロックin三重が開催されました。
 
150名を越す方々が参加し、熱心な討議が繰り広げられました。

 午前中は、「森を育てることの意味」をテーマに、三重県南部で林業を営む速水林業代表の速水亨氏に基調講演をいただきました。
 原生林は3分の1以下となり、大気中のCO2濃度は増加の一途、氷河はどんどん消滅している───  。インパクトのある数字や写真に、会場はざわめきました。
 

   こうした現状の中、林業を考えるとき、持続的森林経営が大きな意味を持ってきます。それは、環境と社会と経済がバランス良く交わるところに成り立つものです。
 また、森林認証という新しい取り組みも紹介されました。違法伐採の木材を排除し、森林破壊をくい止める手段となりうる制度であり、私たち消費者も「賢い消費者」から「賢い市民」に成長することが求められています。国際NGOの行う森林認証を通して、NGOの役割が提示されるとともに、NPOと行政との新しい関係について、今後の方向が提案されました。
 100年の計をもって経営する林業を通じて、「地球の命を守る」”環境”というキーワードが、参加者に染みわたっていくのが感じられました。

 午後からは、5つの分科会に分かれて、積極的に討議に参加しました。 

 分科会1は「農林業の民間国際協力」と題し、4団体から発表がありました。自らも海外で農村開発等に携わるNGO関係者の他、大学で農業を勉強している学生や、出稼ぎで名古屋に来ている農家など、さまざまな人が参加しました。相手の文化への眼差し、地方発のNGOだからこそ生かせる地域性などについて意見が交わされました。 

   分科会2「アクション!やってみようよ国際協力」は、海外NGO活動を始めようとする人へのメッセージとなりました。貧困や女性問題、難民問題などに取り組む4団体が報告するとともに、全員で参加するゲームを通じて、小さなきっかけで貧困に飲まれストリートチルドレンになっていく構造を疑似体験するなど密度の濃い内容となりました。

 「自然と親しむ」と題して行われたのは分科会3です。3団体の発表と、それを契機としてのグループ討論で、自然との共生を考えました。討論の結果は、模造紙を使って絵図化、発表され、「分科会の成功はまだ半分。あとは実行です」と締めくくられました。
 分科会4は、"サポートから連携へ"をテーマに、「多文化の人々と生きる」と題して行われました。三重県では、47人に1人の割合で外国籍の人が居住しているそうです。そんな三重県の3団体と神戸からの1団体が、自分たちの共同体に根ざして活動する様子を報告しました。 
 「若い力で国際協力」と題して開かれた分科会5には、高校生や大学生、教員や外国籍の女性などが集まりました。4〜5人のグループに分かれて、自分たちに出来る、自分たちの行いたい国際協力を考え、大きな模造紙にまとめました。幼い頃の体験や学校での友人関係などを交えながら、訥々と発表し討論する姿は真剣でした。

 分科会の後は全体会が行われました。各分科会のコーディネーターが、分科会での討議内容について発表し、NGO活動を始めるきっかけ、行政とNGOとの関係など、共通の課題が提示されるとともに、各分科会の成果を共有しました。
 その後、参加者全員が、両面にそれぞれ○と×の書かれた紙を持ち、「ボランティア単位制の是非」「行政とNGOとの連携強化の是非」などについて、自分の意見を表明しながら、討論を進めました。「強制されて行うところにボランティア精神が育つか疑問だが、一つのきっかけになるかも」といった学生からの意見、また、「NGOは行政からの資金のみに頼らず運営することが重要」とのNGOからの意見などが出され、活発な討論となりました。

 17:20分頃からは、各国料理を食べながら交流会が行われました。タイの民族舞踊と民族音楽も披露され、なごやかな雰囲気の中、あちらこちらに人の輪が出来ていました。
 交流会近くのスペースでは、フェアトレードのショップや展示コーナーも設けられ、人が絶えることがありませんでした。

 長い1日でしたが参加者皆にとって次のステップへのきっかけになったようです。