平成15年度実施した人材育成事業からの報告 〈1〉


 団体名

   財団法人 オイスカ

 キャッチコピー

    環境教育、有機農業の普及と地域リーダーづくり

 事業名

植林・農業・環境技術指導及び
指導者育成授業

 対象国

 

スリランカ国 

 

          カランガにアル研修センタースタッフと共に

 事業概要

当国では子供、学校を中心とした植林事業を展開。あわせて環境教育も行っている。
また、湿潤地帯・乾燥地帯・中間地帯に分かれる当国の気候に対応するために、地域に応じた樹種を選定しつつも、材木として利用可能な樹種、ココヤシ、スパイス、薬用樹種、果樹など、地域住民の希望を聞きながらコーディネートしている。特に乾燥地帯は乾燥に強い樹種を先に植え、ある程度土に保水力を持たせたうえで住民が希望する樹種を植えるなど、アドバイスや指導をしており、99%の生存率を達成している。

また、ごみ分別収集活動を行い、村のあちらこちらに氾濫しているゴミに問題意識を持たせ、その中に紙などリサイクルできるものがあることを知ってもらうために、分別収集用ゴミ容器を学校や公舎に設置し、キャンペーを開き啓蒙に努めている。政府もその活動に興味を持ち、積極的に支援を申し出ている。

 研修内容

インドネシア国では植林、環境教育を行っている学校等の視察。スリランカではまだなかなか進められていないマングローブ植林についての講義を受講し現場視察。現地のコーヂィネーターと意見交換を行い両国の問題点を確認。それに対しての解決策などを討論した。また、インドネシアにあるオイスカの研修センターを回り地域リーダーの育成に取り組んでいる研修の現場を視察したり、事業運営管理についても勉強した。さらに当研修センターがOBが経営する稲作や蔬菜の生産現場を視察し有機農業の普及状況や農産物生産、そして販売等についても学んだ。

 研修・交流から得たもの

地域のリーダーや住民との交流、また様々なプロジェクトを視察し、スリランカ国での環境教育、植林活動の優れている部分と反対に問題となっている部分が確認できたとともに、その中でも特に課題となっている部分の解決策や新しいアイデア並びヒントをつかめたのではないかと思う。そして、国、地域、村の発展を目指していく中で、いかに地域のリーダーづくりのための人材育成が重要であるかが、実際の現地リーダーとの交流やプロジェクト視察から学ぶことが出来た。

 参加者から一言

今回の研修で地域住民、特に若者の教育、リーダー育成の重要性を強く感じた。植林活動や有機農業の普及にしても、やはりそれぞれの地域や村人の中において自立のために下から彼等を押し上げていけるそうした存在が不可欠であると感じた。また、研修中は相互理解と互いの尊重に努めたことでそれぞれに得たものが大きかった。今回の研修で出来た友好関係を今後も継続し、アジア地域の発展のために相互に協力しあって行きたい。

 

チメンテン研修センター視察。育苗についての説明をうける