平成18年度実施した専門家派遣事業(海外活動)からの報告 〈1〉 |
~ パプアニューギニアでの持続可能な有機農業形態の確立に向けて ~ |
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団体名 |
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財団法人 オイスカ |
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協力事業名 |
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パプアニューギニアにおける有機稲作・蔬菜栽培指導事業 |
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対象国 |
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パプアニューギニア |
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事業概要 |
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パプアニューギニア国、東ニューブリテン州ガゼル地区にあるオイスカラバウルエコテック研修センターでは、設立以来20年間にわたり稲作の栽培普及をはじめ、有機農業における作物栽培、畜産などの指導、人材育成事業に取り組んできた。現在では、毎年100名に及ぶ研修生が農業の研修に取り組んでいる。しかし、20年間にわたる作物の連作により、収穫量の低下、地力の消耗が徐々に進んでいることが大きな問題として取り上げられている。これらの問題を解決するために、地力の回復を考えた有機農業の普及、指導を進めていくことを、今回の大きな目標とした。 |
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指導内容 |
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有機質資材の乏しい現地においては、落ち葉や苅り草、モミガラなどを有効に堆肥化し、それを投入していくことが地力を回復させるためには重要となる。まず始めに簡単な地力の検査、土壌の診断を行い、地力の消耗が激しいところから堆肥づくり、有機質発酵肥料づくりについて指導を行った。さらに効率的な投入方法から作物に与える影響、有効性など一連の流れについて理解してもらえるように指導を進めた。 |
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成果、現地の方の反応など |
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有機農業、または土つくりについて短期間で具体的な成果を得ることは困難なことである。研修生を指導している現地スタッフに対しても、「20年で悪くなった土は20年かけてなおして下さい」と無責任ではあるがそのように話をしてきた。その時は皆唖然とした顔をしていた。全て人力で限られた有機質資源を利用しながら土つくりを進めていくことは簡単なことではない。長い時間をかけて毎年積み重ねていくことが重要である。 |
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派遣専門家から一言 |
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今回活動を進めた地区は、全体的に土壌がとても肥沃で数年間は無肥料でも作物を栽培することが可能な地域である。しかし作付けを長期間進めるにあたり様々な問題が出てきている。農耕の歴史が浅いこの国においては、それらの問題に対処すべく力がないのが現実であるため、いかに土をつくっていく事が大切か、これを理解させることが先決である。 |
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