平成18年度実施した専門家派遣事業(海外活動)からの報告 〈2〉


~ 人間と自然の共存を求めて豊かな農村づくりを目指す持続可能な農業運動 ~

 団体名

特定非営利活動法人 アーシャ=アジアの農民と歩む会

 協力事業名

インド・U.P.州アラハバード地区(郡)におけるアラハバード農業大学継続教育学部研修環境整備と持続的農業研修プログラム開発

 対象国

インド

 事業概要

アラハバード農業大学継続教育学部において、小規模農業者のための有機農業を中心とした持続可能な農業普及の支援を行っている。特に、有機栽培、その産物を利用した食品加工技術、その調理法、その販売の方法に関する技術指導と助言を行っている。指導対象者は、当学部の持続可能な農業研修担当スタッフ、及び北インドから農業研修生(草の根農村リーダー、農業改良普及員)、NGOワーカーである。

 指導内容

対象者に対する指導内容は、持続可能な農業の理論と実際、有畜複合有機農業、有機質肥料の作り方(堆肥、ボカシ肥、液肥、緑肥等)、農業有用微生物の培養と利用(特に土着菌、光合成細菌等)、小規模養鶏、マッシュルームの技術紹介と、それらの指導を行っている。更に、健康食品でもある豆腐・味噌・醤油を使ったインド人向けの料理のレシピーのパンフレット等の作成、また、食べ物と健康保健に関する指導・助言活動を行っている。

 成果、現地の方の反応など

小規模農民が新しい技術に挑戦し、自らの生活を改善しようという意欲が湧いてきた。ボカシ肥は、北インドではヒンディー語化してきている。東北インドでは、ボカシ農業連合を作る計画が持ち上がっている。アラハバードの農村では、家から出ることの無かった農村女性が、センターの食品加工所で仕事をするようになり、また、有機栽培米、野菜を販売するために、有機農業者組合を組織した。ヒンドゥー教徒村で見られなかった自然養鶏(ブロイラー)を行う者、行いたい者が増えてきた。 

 派遣専門家から一言

小規模農民が持続可能な農業を行う上で、組合組織運営は重要な鍵である。もし、有機栽培が成功したとしても、農民はそれらの販売する手段、知識、情報、ネットワークがない。また、アラハバード地区の場合、農民の識字率が50%以下なので、組合運営する上で非常に困難である。現在、アラハバード農業大学継続教育学部が組合を共同運営しているが、組合の自立を考える上で、農村青年育成により力を注ぐ必要があると考えている。方向性として、有機農業を中心とした北インド農村開発に、大きな希望を持っている。

中内照夫専門家による光合成細菌培養の指導