やさい産地復活大作戦

団体名

特定非営利活動法人・アーシャ=アジアの農民と歩む会

協力活動名

(JAITI運営)バシファント学校卒業生などに対する農業支援

対象国

ネパール共和国

活動概要

 カトマンドウ南西90km、マクワンプール郡の標高1700m~2500mの高原やさい産地で活動。 キャベツ、カリフラワー、大根、アブラナなどが主力の地帯だが、ここ数年アブラナ科やさいの難病害、ネコブ病の被害に悩んでいた。

 産地壊滅の危機であったが、ネコブ病に対する知識はまったく無く、困惑状態。 アブラナ科やさいは主力品目であり、その対策とネコブ病の発病しない他科やさいの推進につとめている。



JAITI運営 バシファント学校全景


ナムター村にて、キャベツ栽培現地指導

専門家の指導内容

1.アブラナ科やさい。
 (1)土壌酸度(PH)矯正による発病軽減
 (2)他科やさいとの輪作による発病軽減
 (3)無病土での育苗、移植栽培による実害の防止
 (4)収穫後の残渣処理の徹底による発病軽減
 (5)土壌水分と発病の関連から排水対策など。日本では薬剤防除、抵抗性品種対応などがあるが
    諸事情から取り組んでいない。

2.他科やさい、ネコブ病の発病しないジャガイモ(ナス科)ニンジン(セリ科)インゲンエンドウなど
   豆類(マメ科)スイートコーン(イネ科)ウリ類(ウリ科)などの導入を進めている。

成果・現地の方の反応など

 アブラナ科やさいのネコブ病は日本でも難病害であり、諸対策がとられているが、その知見をネパールへ移入。 一定の方向づけができ、現地の皆さんも大喜びである。
ネコブ病の発病しない他科やさいへも目が向き、ジャガイモ、人参、豆類など増加してきている。

派遣専門家から一言

バシファント学校卒業生に対する農業指導への取り組みと産地重要課題への取り組みのタイミングが合致。 産地復興に関わることができ地域の皆さんとも喜びを共有することができている。 JICAが20数年前に導入した美濃早生大根が依然として作られているなど、研究心が求められる。(日本ではもう、ほとんどつくられていない)



ダマン村にて 背負式手動防除機提供
農薬散布の重要性を意識させる


パルン村にて やさい栽培指導会

厳寒期のパルン村ファンドバザール地区
水田地帯だが水稲作付け者ゼロ。
やさいだと年2~3作でき、収益性は水稲よりはるかに高いため。
霜が降りているため、このような写真となっている。

ダマン村にて やさい栽培指導会