健康な食べものをつくりながら、楽しい農村をつくろう

団体名

特定非営利活動法人・アーシャ=アジアの農民と歩む会

協力活動名

小規模農民のための健康食品普及と食品加工技術移転事業

対象国

インド



噌麹作りを有機農業組合女性組合員に指導する高丸和彦氏。

活動概要

2008年度は全体計画の2次年に当たる。1年次には味噌・醤油など、特に、継続可能で市場ニーズの高い加工食品の製造・技術指導を行った。 また、健康栄養技術指導、助言活動も実施。2次年は味噌・醤油を使った有機野菜の漬物の製造、食肉加工の改善と品質向上、 それらの販路開拓とともに、安全でバランスのとれた食品・食物摂取の普及を強化する活動を行ってきた。 この事業促進のために日本より専門家4名を派遣した。

専門家の指導内容

  • 食肉加工品、大豆加工品の質的改善および商品開拓。
  • 上記加工製造工程の効率化
  • 組合員が生産した食肉を用いた加工製品の向上、販路販売システムの開拓。
  • 農民の組合組織による共同販売の推進
  • 安全な食べ物、調理方法の普及と啓蒙運動
  • アラハバード農業大学継続教育学部でのワークショップの開催
  • 村落調査などによる、事業のモニタリングと当該事業の評価

成果・現地の方の反応など

技術指導をしている対象者はアラハバード農業大学継続教育学部食品加工担当スタッフおよびアラハバード有機農業組合・女性組合員が対象である。 女性会員は味噌・醤油、食肉加工(ソーセージ、ハム、鶏肉の燻製)を自分たちだけで作れるようになった。 中でも、味噌・醤油の販路は都会を中心に広がり、それらの売上は農村女性および組合のための貴重な収入源となっている。 農村では未だに味噌醤油を使った料理を食することはないが、収益率が高いこれらの加工食品製造に生産意欲が高まっている。

派遣専門家から一言

味噌・醤油はインドに在住する日本人、また食肉加工品は欧米人を中心にターゲットを考えてきたが、 健康志向が高まり、食べ物の多様化が進むインドでは、これらの加工食品の需要が増えるものと思われる。 実際、デリー、ムンバイ等の高級中華レストラン高級インドレストランでは日本食メニューを出すところが増えてきた。 一方で、日本の味噌・醤油を作っているNGOや企業はほとんどないのが現状である。 よって、小さなNGOがそのパイオニアー的役割を果たしていることの意義が大きい。 また、この事業は製造に携わっている農村女性に対して、大きな自信と誇りを与えてくれている。



健康食品について講義する後藤広子氏。


ソーセージのケーシングの技術指導をする石原潔氏。