財団法人 オイスカ
ネグロス島における養蚕技術普及事業
フィリピン
ネグロス島における養蚕の普及発展の段階において西ネグロス州を中心とした養蚕農家220戸の繭生産量27t、加工糸7tは未だ少ない。 明年度西ネグロス州カバンカラン市及びシバライ市、東ネグロス州ビンドイ市、マビナイ市及びカンラン市地区新規養蚕農家100戸の増加計画に伴い育蚕技術の普及と優良繭の確保は必須とされている。 そのため、適地適合の蚕種を提供し、稚蚕共同飼育所の設置による蚕作の安定化を図り、養蚕農家が安心して育蚕に従事できるよう豊富な指導経験をもつ専門家指導による一連の体制作りを行う。
稚蚕共同飼育所の増築により繭生産の効率が上がり蚕作の安定が見られるようになった。 展示用見本桑園の設置により養蚕視察者への啓蒙に役立ち肥培管理・桑仕立のマニュアルとして体得される。養蚕指導スタッフの知識技術が向上した。 供与された機材(選定鋏、消毒用噴霧器等)が有効活用されることで、農家の桑園管理や病蚕に対する不安の解消が激減した。 養蚕指導スタッフにとって新規養蚕家に対し繊細な蚕を普及していくことは容易ではないことから、こうした専門家による定期的指導はなによりも自信につながるとして定期的指導が強く要望された。
ネグロス島内における養蚕に対する関心と期待への高まりから、今後東ネグロス地区への規模拡大が期待される。 これを受けて特に養蚕指導普及員の指導力が今後の繭増産体制を築く上で大きく影響する。 そのためには常に技術向上に向けた取り組みを怠ることなく、特に新規展開地区での努力精進が必須とされる。 また、製糸部門における品質向上と副蚕糸開発を積極的に進め、生糸販売の拡充に努めるべきである。