マサイ族を対象としたNEEM研修で生活改善

団体名

特定非営利活動法人ICA文化事業協会

協力活動名

ケニア共和国「乾燥地における住民参加型の農業研修・植林指導」

対象国

ケニア共和国

活動概要

 現地で植林の重要性や環境保全に関する研修を行った。 乾燥地の少量の水でも育つニーム(正式名はインドセンダン(NEEM))はケニアの干ばつ地帯でも存在する樹であり、薬効もあることから現地農業省と調整を行い、ニームの研修を行うことが決定した。 そして、平成21年2月26日~平成21年3月21日において、日本より大東専門家を派遣しマサイ族を対象としたニーム研修と植林事業を実施した。

専門家の指導内容

 貧農村民に対して、ニーム樹の全ての器官;葉、果実、種子および樹皮などが、乾燥、半乾燥地帯で生産される世界唯一の農産物生産に係わる「無農薬栽培用天然有機農業資材」である旨を伝え、 ニームの育苗、移植、栽培法、各器官の採集法および利活用法に関する技術移転を行なった。 また現地の医療関係者と共に、ニームの各器官の人体に対する治療、予防、健康促進などに係わるニームの薬用効能について講演会を行なった。

成果・現地の方の反応など

 多くのマサイ族の住民(特に女性)が参加した研修は、参加できなかった住民からも『次はどこでやるの』と聞いてくるほど反響があった。 マサイ族は、ニームで病気を予防する風習があり、ニームの事をよく知っていた。現地では『マロバイニ(40の病気を治す)』という意味を持つニーム。 特に頭皮がむけるなどの皮膚病に効果があるため、研修では子供の頭皮にニームオイルを塗ることもしたが、女性達は長い列をつくった。

派遣専門家から一言

 マサイ族がみんな喜んでニーム研修を受けていた事が印象的である。 熱心に研修に参加した後は『うちでも植えたい』といいながら帰っていった。 とにかくニームへの関心度は高く、農薬や薬の買えない住民でも庭に植えることができる。 欧州からの農畜水産用、健康食品用、医薬品用ニーム製品製造業社が、ニームの全器官を高額で購入することとなり、貧農民は貧困生活脱却をめざして、ニームを意欲的に栽培している。