平成15年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈1〉


 団体名

   アジア農民共に生きる会

 キャッチコピー

   有機農業の教育普及活動による農民の経済的自立と幸福の実現を

 事業名

インドネシア国ブラスタギ農業試験場
に対する有機農業協力活動

 対象国

インドネシア 

 

           シキワラを多用し、小投入半不耕起栽培の圃場

 事業概要

インドネシアでは有機農業が非常に遅れており特に我々の活動するスマトラ島では皆無に近い。活動場所はスマトラ一の野菜の大産地であり古くから農薬、化学肥料が多用されており、マレーシア・シンガポールなどの近隣輸出国よりスマトラの野菜の安全性について危惧され始めている。
このような現状の中で日本より有機農業の専門家を派遣し有機農業の技術的経済的可能性を探り試験場及び農業研修生に対し有機農業の教育普及活動を行う。

 指導内容

現在、有機農業指導スタッフ1名が常駐すると同時に、年間数回理事を派遣し指導に当たっている。近隣より希望者3名を研修生として受け入れ寝食を共にした実践的教育を行い、有機農業を実施する実践者を育てている。また、大学、教会などとの関わりの中から圃場見学や講演を通じ 有機農業の指導普及に努力している。

 成果、現地の方の反応など

農場を開設して一年、無農薬、無化学肥料の有機農業の技術は徐々に確立され始めている。試験場でも有機農業をわずかではあるが開始した。また、近隣の農家やNGOの人達も関心を持ち始め今後、我々の農場が自立運営可能になった時、普及され始めると思われる。

 派遣専門家から一言

農業の機械化がいまだ進んでいない現地で日本の技術をそのまま導入しても有機農業は普及しない。現地の誰もが真似できる方法を確立するよう努めている。
現在、14,5品目の野菜が収穫できるようになり、その農法を研修生の全てが自分ひとりでも実践することができると述べている。
今後は更なる技術確立と経営自立に向けた販売に重点をおきたい。


農場開設1年未満で無農薬・無科学肥料で育った野菜