平成15年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈2〉


 団体名

   財団法人 日本農業研修場協力団(JAITI)

 キャッチコピー

   健康で自立心豊かな地球上の友になることを願って

 事業名

農業振興と生活レベルの向上

 対象国

 

ネパール 

 

 

        JAITI(ジャイチ)農場、イチゴ定植直後の状況

 事業概要

ネパールは人口2,400万人ほどで、南部のタライ平原以外は急峻な山岳地形で谷底より山頂まで標高差1,000mに及ぶ「耕して天に至る」景観の多い農業国です。水稲、トウモロコシ、小麦、ヒエなどが主要作物です。当JAITIでは1989年より首都カトマンドゥ南西25kmの標高1,900mの地にカカニ実験研修農場を設置、日本より野菜の種子、種苗を持ち込み、適作物の選定と普及に努めています。

 指導内容

日本で栽培されているほとんどの野菜は、適応性について検討しました。その結果、イチゴ、大根、サツマイモ、スイートコーン、馬鈴薯、エンドウ、カボチャなどの適作物選定ができ、地域に普及をはかっています。果樹ではキウイフルーツが適することがわかり、取り組みが始まっています。生産のみならず加工、流通、販売まで総合的な指導・支援を展開しています。

 成果、現地の方の反応など

イチゴについてはその経済性の高さから急速に地域に普及、栽培戸数600戸面積100haほどになりました。今までの主食作物中心の経済的にも貧しかった生活から、換金作物として注目され急増したものです。他の適作物もイチゴの前作、後作、輪作物として栽培が増加してきています。イチゴと言えばJAITI、JAITIと言えばイチゴ、というほど評価は高い。

 派遣専門家から一言

現在イチゴの栽培技術改善で、ポリマルチ被覆試験を開始、大幅な増収効果と潅水、除草などの省力効果が認められ、注目されています。キウイフルーツも期待の品目です。消費地カトマンドゥへ1時間ほどであり、今後の園芸作物振興に希望を持っています。子供の教育、テレビの導入など、生活レベルが目に見えて向上することはうれしいことです。

耕して天に至る。こういう地帯でイチゴが栽培されている。

イチゴの選果、4段階に選別。カトマンドゥへ出荷する。