平成15年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈11〉 |
団体名 |
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財団法人 オイスカ |
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キャッチコピー |
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養蚕による農村開発 |
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事業名 |
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北スマトラ養蚕開発プロジェクト |
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対象国 |
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インドネシア国 |
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研修センター全景 |
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事業概要・実施状況 |
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北スマトラ養蚕開発プロジェクトは、気象的に養蚕に適した北スマトラ州とその周辺において質の高い蚕糸業を確立することを目的としている。開発の遅れている同州の中山間地を中心に養蚕を普及し、低所得者農家の収益を高め生活向上を図ると共に、製糸・絹業などの地場産業を育成して、地域の経済及び社会の活性化に取り組んでいる。 |
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指導内容 |
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北スマトラ州カバンジャへ郡に位置する養蚕研修センターにおいて、地元の農村青年に対し蚕の飼育と繭の取り扱い、桑園の造成と管理など、養蚕業についての技術全般を指導している。また研修終了後、実際に養蚕に取り組んでいる農家を定期的に巡回指導している。現実には農家がそれぞれ異なる問題を抱えており、各農家の状況に即したきめ細かな指導を通して安定した繭の生産と品質の向上に努めている。 |
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成果、現地の方の反応など |
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北スマトラ州の中山間地は農業基盤開発の遅れも手伝ってそこで主に生産される農作物はトウモロコシ、陸稲、チリなどの低価格作物が中心で、取引価格の乱高下も激しい。作物価格の上下に一喜一憂しながら稲作を繰り返してきた農家にとって他の作物に比べ面積当たりの収入が高く、取引価格も遥かに安定している養蚕は非常に魅力的である。養蚕が地域の新たな特産品として注目を集めており、新規に養蚕を始める農家が急増している。 |
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派遣専門家から一言 |
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現地の個人農家にとって養蚕は多くの人手を必要とせず、妬く2週間という短期間の養育で比較的容易に現金収入を得ることができる。その反面、蚕の飼育中は繊細な神経で作業にあたらなければならない。そこをどう上手く指導していくか否かが生産された繭の品質に直接影響する。また、日本のように豊富な資金と資材をもって養蚕の経営を行うのは不可能であるため、優れた日本の養蚕技術を効果的に応用しつつも、いかに現地の状況に即した技術で指導にあたるかが最も重要な課題である。 |
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巡回指導による農家指導 |