平成16年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈1〉


~ 循環複合農業経営の中心としての養鶏 ~

 団体名

現地の一般的な平飼い養鶏

財団法人 オイスカ

 事業名

オイスカ・ミャンマー農林業研修センター
における養鶏技術指導

 対象国

ミャンマー

 事業概要

オイスカが1997年からミャンマー政府農業灌漑省の農村開発局との協力により中部の半乾燥地帯に位置するエサジョ郡パカンジーにて地域の農村青年に対しする有機農法の技術指導に取り組んでいる。一昨年前からは養鶏の導入を図り、ブロイラーと鶏卵を加えた複合農業の普及を目指している。先ずは研修センター内で当該地域に適した養鶏技術を確立し、段階的に低所得者層農民を中心に普及を展開していく。

 指導内容

比較的飼育しやすい平飼いでのメリットを考慮し、鶏へのストレスを最小限に抑えるために自然環境を十分に活かした飼育法(貧農民が容易に導入しやすいように身近にある安価な材料の利用した自家飼料の作り方など)を中心に指導。
また特定の病気(コクシジウムやマイコプラズマ病)の感染予防法等を指導。

 成果、現地の方の反応など

養鶏は牛豚などと比較して飼料要求率も低く、少ない資本で取り組みやすいという利点からさらに養鶏に対する関心が高まったと言える。一方、当該地域は熱帯にしては寒暖の差が激しく、乾燥が厳しい条件下にあるため病気に対する予防法は重要である。出来るだけ農家の負担を抑えるためにも高価な薬品に頼らない形での予防法がポイントになる。限られた期間でもあったことから思考錯誤の感もあるが、いくつかの方法にも今後効果を見出させるものとして現地では関心と期待をもって受け入れられた。

 派遣専門家から一言

当該地域の生活向上の推進を図るためには単一作物栽培のみに頼っていたのでは到底無理があり、養鶏を取り入れた複合農業は地域住民には受け容れられ易い家畜であるといえる。比較的安定した収入と蛋白質をもたらすとして期待度は大きい。今後、当プロジェクトを中心に様々方法で地域への普及を継続していくことが望ましい。そのためには環境に配慮した飼育法をしっかりと身に付け、病気を予防するための飼育技術の向上と観察力をつけていくことが肝要である。


安価で栄養価の高い自家製飼料が重要