平成17年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈1〉


~ 有機農業により農民の自立と幸せを願って ~

 団体名

消費者家族の農場訪問と野菜収穫

アジア農民共に生きる会

 事業名

ブラスタギ有機農業協力活動

 対象国

インドネシア

 事業概要

2002年10月よりインドネシア北スマトラ州、ブラスタギにある国の農業試験場と協力して当地で有機農業(野菜)のモデル農場を運営している。活動地付近はアジアでも有数の野菜栽培地域だか農薬や化学肥料が多用されており、農地の疲弊化、消費者の健康志向により当地の野菜供給が困難になってきている。これら現地農民の一助として現地での有機農業普及をめざしている。

 指導内容

大型機械や有機物の多投が行われていない現地農民の現状を考慮して、人力中心及び省資源の農法を実施している。また、有機農業に関心のある若者を常時4~5人受け入れ、農作業を通して有機農業の指導や有機農産物の販売や啓蒙活動を共に行っている。
その他、現地NGOや大学機関等と協力して有機農業セミナーや講演会に参加して、現地農民や学生、消費者に有機農業について啓蒙活動を行っている。

 成果、現地の方の反応など

現地農民の現状は化学肥料や農薬の価格が高騰する一方で農産物の価格は下落している。その為、高額で販売でき生産コストを下げることが出来る有機農業に対しての関心は高い。実際、ボカシ肥料を自ら作り始める農民も出始めている。
ただし、活動地周辺での有機農産物の市場は未だに小さいので、圃場全てを有機農法に転換する農民は皆無である。今後、有機農産物の市場が拡大していくことにより、現地で有機農業が広まる事を期待している。

 派遣専門家から一言

野菜の栽培は当初はいろいろと問題が起きたが、土壌の肥沃化と並行してまずまずの物が収穫できるようになった。 ただし、有機農産物の市場は未だに小さい。有機農業の普及を考慮するとやはり市場の形成が必須である。
有機農産物の市場形成までにはマレーシアやジャカルタでもそうであったように、ある程度の時間が係る。活動地でも、少しずつだか有機農産物が認知され始めている。数年後には市場が拡大してより多くの農民が有機農法に転換している事を期待している。

インドネシア行政関係者の農場訪問

籾殻利用の不耕起栽培