平成17年度実施した専門家派遣事業からの報告 〈2〉


~ 健康で自立心豊かな地球上の友となることを願って ~

 団体名

パルン地区農家 試験圃場と周辺

財団法人 日本農業研修場協力団

(JAITI)

 事業名

バシファント学校卒業生などに対する

農業支援

 対象国

ネパール

 事業概要

マクワンプール郡ナムタール村およびその周辺村を対象に10年制のバシファント学校を運営している。農業地帯であり、また卒業生が出だし、その多くが就農することから職業教育が重要であり、農業指導にとり組む。標高1,750m~2,500mの高原やさい地帯でキャベツ、カリフラワー、大根、アブラナなど栽培技術改善を要する事項が多く見うけられるので、その指導、支援。新しくイチゴを導入、栽培の可能性をさぐる。

 指導内容

アブラナ科やさい(キャベツ、カリフラワー、大根、アブラナなど)の栽培が多いが、根部がこぶ状になり生育を阻害、生産性の低下いちじるしい根こぶ病に悩んでいる。日本でも重要病害であるが、ネパールでは根こぶ病に対する知識はまったく無く、困っているので、その対策を進める。またアブラナ科やさい特有の病害であり、他科のやさいは侵されないので、転作の指導をすすめる。イチゴ栽培の可能性について検討する。

 成果、現地の方の反応など

日本で主流になりつつある根こぶ病抵抗性品種を試作、効果のある品種選定を進めている。とり組みが始まった所であり、まだ完全ではないが、効果の認められる品種もあり、現地の期待は極めて大きい。他科のやさいを作れば問題ないが、経済性からはキャベツ、カリフラワー、大根を作りたい希望がつよい。
カカニ地区で成功したイチゴについても、初めての作物であるが、期待は大きい。

 派遣専門家から一言

アブラナ科やさい最大の難病害であり、日本でもむずかしい問題をかかえているが、何とか方向づけをしたい。解決の方向を見出せないと産地壊滅のおそれが強い。経済性の高い他科やさいの導入も重要だが。イチゴに期待。日本の様にパッ、パッ、パッといかない所が悩み。ゆっくり、しかし、着実に。

パルン地区 カリフラワー根こぶ病の被害状況

パルン地区 収穫1週間後の根部の調査