今日ジャガイモは推定農地面積で19万平方キロメートルに栽培され、その範囲は、中国雲南の高原やインドの亜熱帯低地から、ジャワの赤道付近の高地、ウクライナの大草原地帯にまで及んでいます。収穫量のみについてみただけでも、ジャガイモの塊茎は、世界第4位の食用作物であり、2005年の総生産量は3億2300万トン以上に達しています。
ジャガイモは飢えた者に食物を供給します
I貧困と飢えに苦しむ人々に栄養価の高い食料を供給することをねらいとする戦略においてジャガイモは、主要な構成要素とされるべきです。土地資源が限られ、労力が豊富な場所、すなわち開発途上国の大部分を特徴付ける条件に対し、ジャガイモの適正は理想的です。ジャガイモは、他のどの作物と比べても、より狭い土地から、またより厳しい気候条件下で、より多くの栄養を、より速やかに生産できます。作物体の50%程度しか食べるところがない穀類と比べて、作物体の85%にも相当する部分が可食部です。
ジャガイモは健康食品です
ジャガイモは炭水化物を豊富に含み、良いエネルギー源になります。ジャガイモには需根作物、塊茎作物類の中では最も多くの蛋白質を含み(生体重ベースで約2.1%)、品質も良好で、アミノ酸組成が人間の必要とする組成に非常に良く適合しています。ジャガイモはまた、ビタミンCが豊富で、中ぐらいの大きさのジャガイモ1個が推奨一日当り摂取量のおよそ半分の量を含んでいて、また推奨一日当りカリウム摂取量の1/5を含んでいます。
ジャガイモの需要は伸びています
世界のジャガイモ生産量は、過去10年の間、年率4.5%の割合で増加しており、これは開発途上国における、特にアジアにおける、他の多くの主要な食用作物の生産量の増加を上回っています。ヨーロッパにおけるジャガイモの消費は減退していますが、開発途上国では増加しており、1961-63年には一人当たり10 kg 未満であったのが、2003年には21.53 kg となっています。開発途上国における消費量は、未だヨーロッパ(93 kg)よりもはるかに少ないのですが、すべての指標は、今後強く伸びる見込みであることを示しています。
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